６年　土地のつくりと変化⑨

公開日： 2018年2月5日月曜日

前回の振り返りにＹＲさんが書いていたこと。
ＹＲさんに紹介してもらうところから始めました。
ＹＲさん「問題№３の実験の仕方がわからなくて班では，自分たちで作った地層を水を抜いて揺らしたら断層ができるっていう予想が出たんですけど，できるって思っている人とできないって思っている人がいて不安がある。」
Ｔ「みんなの振り返りを読んでいても，問題３の予想には，ズレがあったんですよね。だから，整理してからグループでの学びに向かおうと思うんで集まってもらっていいですか。」
Ｔ（見に行った写真を見せて）「ズレ方はいろいろあるけれど地層にズレているところがある。これを断層というっていうのはいいかな？聴いたことある？」
Ｃ「あります。」
Ｔ「ＹＲさんは，地震のゆれによって断層ができるって予想しているんだけど，同じ考えの人はいる？」
ＳＳさん「畑のズレているところがあるから，地震のときにできたから。」
Ｔ「違う意見はある？地震で揺れて断層ができるの？グループで話してみよう。」
ＳＴさん「僕の班では，断層ができるから地震が起きると思うんですけど，地球のプレートとかが絶え間なく動いているから。動いているっていうのは，地球がそんな感じなんですけど，地震ていうのは，プレートとプレートがこすり合ってゆれにつながってるんじゃないかなって。」
（図をかいて）
ＳＴさん「これがこっちに動くとしたら摩擦？が起こってゆれるんじゃないかな。」
ＭＮさん「私も断層ができて地震が起きるって思うんですけど，地面って何もなかったら，揺れるとかいうことはないし，何か元の地面に変化が起きてゆれるってことだから，ＳＴさんがかいたやつでいうと，片一方が動くとゆれが起きると思うから。断層ができて地震みたいなゆれを引き起こしている。」
ＳＩさん「断層って左右から力が加わって地層が切れてできるって聴いたことがあるから，切れる時に押していた力が周りに分散されて揺れるからＳＴさんに近いかなって思う。押していた力がゆれに変わるっていう感じ」
ＨＴ「地震がいろいろゆれるのにそんなにきれいに入るわけがない。体験した通りに，左右にいっぱい揺れたりするのに，こんなに地面がゆれてきれいに入るわけがない。例えば，コンクリートの地面が地震で揺れた時にこんなにきれいに線は入っていなかったと思うんですよ。ひびが入っているような感じ。だから，僕も切れ目が入ってから地震が起きたと考えている。」
ＹＭさん「揺れてずれたのなら，そのゆれってそもそも何の原因で起こるの？」
Ｔ「ああ，ゆれの原因がわかんないってこと。」
ＳＳさん「原因は，ニュースかわかんないけど，プレートっていうのが下にくんくんって感じで潜りこんでて，その力で揺れて，戻ろうとする力で何回も地震が起きるんだと思う。」
Ｔ「今，地震が起きて断層ができるのか，断層ができて地震が起きるのか？そこでみんなの意見は割れてるよね。そこを実験で解明して，みんなが体験した熊本地震で何が起きたのか，提案の中に加えていけるといいね。」

このような対話を通して，断層ができるのが先か地震が起こるのが先かという問題を立ち上げました。

グループでの活動に戻してから，ＳＩさんのもとにＹさんが近づき，確認をしていました。
Ｙさん「さっきの大きな力ってどこからくるの。」
ＳＩさん「（本のイラストを見せながら）あのね，プレートがどんどん押してきてこの力で我慢できなくなってはじけるような感じだと思うんだよね。」
Ｙさん「なるほど。わかった。」

グループでの活動の中でもお互いのグループを自由に行き来しながら交流を図る子どもたち。今ではこれが普通になりました。わからない時は，友達の班に意見を求めます。

グループごとに実験方法を考えますが，どうすればいいのかわかりません。
しかし，ある班が小麦粉とココアで地層をつくり力を加えればいいという方法を考えつきます。
その周りに自然と子どもたちが集まります。何の実験をどのようにしようとしているのかを問いながら，その班の子は周りの子に説明します。
ＮＨＫの動画で同じような実験があり，横から押してみればいいと考えています。

そのグループの方法を聞いた１班の子達は，アレンジを加えます。
ＹＭさん「上に石などを載せて重さをかけよう」
Ｔ「どうしてそんなことするの？」
ＹＭさん「地層には重さがかかってるじゃないですか。だから上に重しを置くんです。」

子どもたちならではの方法が生まれてきています。
実験準備を終え，次時は研究発表会当日の公開授業です。
グループごとに様々な実験方法を考え，熊本地震の謎に挑みます。

ご意見、ご感想は，以下まで。
熊本大学教育学部附属小学校　松山　明道
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