6年 土地のつくりと変化⑧

公開日: 2018年2月4日日曜日

子どもたちが体験した熊本地震。
でもその震源地を実際に観察した子は,34人中5人。
断層自体を観察した子は1人もいませんでした。

熊本市内から益城に向かう車中。
熊本市内はいつも自分たちが見慣れている日常。
しかし益城町に入ると景色は一変します。
ブルーシートがかかった家はまだ何軒か有り,新しく立て直った家も。
道路はきれいな舗装とは行かず,でこぼことしているところもまだあるのが現状なのです。

徐々に口数が減る子どもたち。
YRさん「ちょっと離れただけなのに・・・」

見学に訪れたのは,益城町の堂園地区。3カ所を共通して観察しました。
1つは,「ずれた水路」真っ直ぐだったはずの水路が分断されているところ。
2つ目は「傾いた電信柱」地震の際に傾いたままの状態で横に補助の電信柱が立てられています。
3つ目は「畑のずれ」農家の方にとっては,整地した方が都合がいいとのことですが,地震の爪痕を残しておきたいとずれた様子がわかるように保存しているのだそうです。
子どもたちは自由にあたりを観察する中で気付きをノートに書き込んでいきます。

断層面に立って左右を観察すると,くずれたガードレールから水路,電信柱,畑のずれ,そしてその先が土手のくずれへと直線につながっているのがわかります。
その線から向こう側の土地すべてが右にずれたことをじわじわと感じたHさんはつぶやきます。
Hさん「すっげ・・・。こっから向こう全部が動いたってことですよね・・・。」

観察を終えた子どもたちは次のような気付きや問いを書いていました。
HTさん「本当にこの地震で断層ができるのか不思議に思った。」
SRさん「なぜこういう境界(断層)ができるのか」
MNさん「益城の方は横向きに土地がずれていたけど,球磨村の方は縦向きに入っているから,層の入る向きに決まりがあったりするのか知りたい。一部分だけが右に動いただけではなく,広い範囲で土地が右に動くことにとてもびっくりした。そこに大きな力がはたらいていたのだなと思った」
YGさん「なぜ地面がずれるのか」
KNさん「地震が起きることによって地面がずれるのではないか」

観察を終えた子どもたちの多くは,地面のずれがなぜ起きるのかという思いを強くしました。内実をよく見ると,地震によって地面がずれたのでは?という考えと,力が加わってずれたのではないかという考えがあることがわかります。
学校に戻って,実験方法を考えようとしたYRさんは,次のような振り返りをしています。
YRさん「№3の実験の仕方がわからなかった。地震で断層はできるとわかった(予想した)ので,地層を揺らして本当に断層ができるか不安です。できるのかな?」

断層が地震のゆれで起こると予想するYRさん。全体で取り上げると,力の加わりで断層がずれ,そして地震になると考える子の予想と対立が起こることでしょう。
学級全体は2つの考えに分かれていると考えました。
次時は,YRさんの考えを全体に広げ,予想を交流して,方法の立案に向かうようにしたいと思います。

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熊本大学教育学部附属小学校 松山 明道
matsuyama-a@educ.kumamoto-u.ac.jp
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